過払い金とは債務整理の場面において、利息制限法に基づく上限金利で引き直し計算をした場合に従来の返済額を充当して、充当してもなお余剰に計上された金額を不当利得偏見請求権に基づいて債権者に返還請求するべき金銭のことです。借金である消費者貸借に対しては、利息制限法で上限金利が規定されてきました。しかし利息制限法を超える利息や損害金であっても、債務者が任意に支払ったときは有効とする出資法の規定が存在していた関係で、利息制限法を超える利息でも消費者金融ではまかり通っていた時代が長く続いていました。もちろんあまりに高額な暴利行為は出資法により刑事罰の対象として禁止されてはいたものの、有効性があいまいなグレーゾーン金利が存在していたわけです。
その後の判例で、利息制限法を超える利息は無効であるとの判断が下され、過払い金の請求を正面から認めることになりました。過払い金の仕組みは、支払いすぎた金利や損害金は貸金業者が保有するべき法律上の根拠を欠く、不当利得に該当するというものです。過払い金支払い請求の仕組みは、定着することで現在では新規に過払い金を請求する余地は少なくなっています。しかし数十年以上にわたって支払いを継続していた経緯のあるような事例では、現在でも相応の不当利得返還請求が認められる余地があります。
この仕組みを利用することで、結果的に数百から数千万円以上の現金を手にしたとの事例もあるほどで、心当たりのある人は専門家に相談することをおすすめします。